GINJI-150FNフォーカサー電動化(ASCOM対応)
2024.09追記:EAF化しました。
笠井トレーディングGINJI-150FNのフォーカサーをASCOM対応で電動化した。
ネット上にあまり情報がないので情報共有。
こんな感じになった。
電動フォーカサーはコントローラーがArduino ASCOM Focuser Pro2 DIYを自作したもので、モーターは27:1のギアボックスが付いたNEMA17モーターであるNEMA17PG27。
GINJI-150FNのフォーカサーであるGS2インチマイクロフォーカス接眼部は全体的に丸っこくて平たい部分がなく、モーターブラケットを共締めできそうなネジもない。
最初はマイクロフォーカス機構が付いてないほうのノブを加工してプーリーを付け、鏡筒バンドにモーターブラケットを取り付けてベルトでフォーカスノブを回す形にしていた。
一応これでも使えることは使えていたし、画像のプーリー左側の大きなネジを緩めるとプーリーがフリーになって簡易的なクラッチ機構になっていたり便利な面もあったのだが、それ以上に大きな問題があった。
というのも、ベルト駆動のためバックラッシュがひどく、しかもベルトのテンション調整が鏡筒バンドを回して調整しないといけないのでめちゃくちゃ面倒な上に難しい。
特にバックラッシュを改善したく、できればフォーカスノブの軸にモーターを直結する形にしたくていろいろ情報収集した結果良い方法を見つけた。
国内ではほとんど情報がなかったのだが、製造元であるGSO(Guan Sheng Optical)社の製品自体は世界的に割と流通しているらしく、そっちのキーワードでネットをさまよっていたところ、Thingiverseでこのフォーカサー用のモーターブラケットの3Dプリンタ用データを公開されている方がいるのを発見。
2ピース構成でフォーカサーの円筒部分の下部をぐるっと締め付けて固定するようになっている。
このデータをお借りして作ってみた。
3Dプリンタは持っていないのでDMM.makeにデータを投げて注文することにして、パーツをバラバラに注文すると余計に料金がかかるのでMicrosoftの3D Builderとかいうフリーソフトでパーツを適当に1つのファイルに合体。
DMM.makeには空間費というのがあるのでパーツは並べるよりなるべく小さいスペースに全パーツが収まるようにしたほうがお得な様子。
素材は価格と強度を考慮してMJF PA12に決定。7,000円ちょいだった。
ワンオフパーツがこんなに安く手に入るなんてよい時代になったもんですね。
んで1週間ほどでパーツが届き、加工取付に移る。
届いたパーツの造形精度は驚くほど高かった。
ただ3Dプリンタ用データはギアボックスのないNEMA17用で手元のモーターはギアボックス付きなので、固定用の穴を新たに開ける必要がある。
あとモーターが割と重いのにギアボックスの先端をねじ止めすることになり、取り付け部にはかなりのモーメント荷重がかかると予想されるため、適当な1mmのアルミ板で補強板を作って取り付けた。
モーターカップリングはNBKのMJT-14-RD-4.5-6にした。外径14mmのジョーカップリング。
ちなみに狭いので低頭の六角穴付きボルトでないと取り付け不可能だと思う。
んで取り付けたのがこちら。やはり重さでやや撓っているので、モーターの下にゴムの足を付けて鏡筒側面でも支える感じにした。
もちろん完全に問題なく動作して、ひどかったバックラッシュもなくなった。
もしGINJI-150FNにNEMA17PG27を取り付けたいとかいう方がいれば参考にどうぞ。